ざっくり言うと、従来は強磁性体を用いて磁気メモリを作っていたが、今回は反強磁性体を用いてさらに高密度な磁気メモリを作れそうだ、ということ。強磁性体では磁気スピンの向きが揃っているので磁気的な干渉を受けやすく磁気同士の距離をあまり近づけることができない。したがって高密度化には限界があった。
反強磁性体を用いると、スピンの向きが互いに打ち消し合うように配置されるため、磁気的干渉を受けづらく磁気同士の距離を近づけられる。よって高密度化できるそうだ。
今回発見したMn3Snという反強磁性体物質は、室温で巨大な異常ホール効果を示した。「比較的小さい磁場」を与えるだけで、磁化およびホール効果の電圧が反転するのだそう。つまりこれをどうにかして1と0に対応させて、メモリとして使うということだろう。
Mn3Snは安定している、比較的簡易に作製できる、毒性もない、とかなり実用性がある。「室温で」というのも重要なポイントであり、160℃まで機能するというのも重要。
今後に注目。
0コメント